REDDA DAN RED
ABOUT 】

名古屋
ヒップホップ・シーンの雄、M.O.S.A.D. の快進撃が象徴する様に、ストリート・ミュージックのフィールドにおいて、名古屋は、独自のカラーを滲み出させながら全国的な浸食を始めています。そのキーワードは『G』であり『サグ』であり、もう一つ、『ボーダレス』だと言えるでしょう。そもそも本州の中心に位置し、東京とも大阪とも異なった文化を育んできた土地、名古屋。音楽的にも、はっぴぃえんど世代では「センチメンタル・シティ・ロマンス」、そして初期パンクの代表的な存在「スター・クラブ」、更に現在のシーンにダイレクトに繋がるジャパニーズ・レゲエの発火点とも言える「アキ&ソルトフィッシュ」。彼等に代表される様に、徹底して地元にこだわり続けることをアイデンティティとするアーティストを多く輩出してきた土地が名古屋であり、日本におけるローライダー文化の発祥の地であるのが名古屋です。

その「名古屋らしさ」を前面に打ち出したハードコア・パンク、ヒップホップ、そしてレゲエのボーダレス・イベント『MURDER THEY FALL』や、そこに参加する最凶の面子が合体した存在『POUND(=PHOBIA OF THUG + M.O.A.S.D. + DIEDRO + B-NINJAH & AK-69)』が象徴する様なムーブメントが、現在の名古屋のストリート・シーンだと言えます。そのムーブメントにレゲエ・サイドを代表して初期から参加し続けてきたレゲエ・サウンド・クルー「ガイディング・スター」が、そうした文脈の中から立ち上げたレーベルが『RED HOT RECORDS』なのです。

レゲエ
を代表し『ボーダレス名古屋』を具現化するために、ハードなダンスホール・ヴァイブスを基盤とし、名古屋ならではのサグをフレイヴァーにまぶし、独自の人選によるアーティストのライン・アップで真っ向勝負に出たレーベルの姿勢が、ほぼ全て新曲の31曲を何の惜しげもなく全74分のノン・ストップ・ミックスにした本作に見て取れます。 バック・トラックは純日本産。主宰者であるG・カンカラーとマニュピレーターであるダイス・Kの2人で作り上げ、そこにヒップホップ勢からのリミックスが加わるといった構成。クールな視点と熱い男気が混在するその音楽観は「これが作りたかったんだ」という明確な意思表示を感じさせ、今後のあるべき姿「音楽的に自己を主張するジャパニーズ・レゲエ」を実践した形と言えます。

参加アーティストも全国的な知名度に固執する頭は端から無く、 B-NINJAH、 MACHACOといったガイディング・スター所属のアーティストを中心に、関東勢よりアトゥーシャイ、関西勢よりNGヘッド、ゼブラマン、沖縄よりU・ドー&プラティらといったG・カンカラーの考える独自のリンク、人選のレゲエ勢に、M.O.S.A.D.、PHOBIA OF THUGらがリミックスに参加し、DIEDRO、DIVICE CHANGEらといったハードコア勢のフリー・スタイルに近いものをジングル的に取り入れて華を添えています。
 
・ポップス化していないジャンルが存在しないと言えるほどに業界化したストリート・ミュージック・シーン。メディアを巻き込んで浮かれたリリース・ラッシュの混乱の中、ホンモノを見落としがちな世間に物申すため、忘れ得ぬ日、2年目の『9.11』に、本作を投下します。

【 COMMENT 】

【ヒップホップもレゲエもハードコア(パンク)も本当にリアルな音楽をやってる奴らはジャンル関係ナシで偏見なく認め合ってるし、リンクしてる】

名古屋のアーティストに話を訊くと、決まってそんな台詞が出てくる。そう、現地(東海エリア)のストリート・カルチャーは周りから見るよりもずっとアーティストもファンもボーダーレスだ。ヴァイブスの高さも並みじゃない。元々、ドクトクの文化圏を築いていた歴史ある都市であり、キャピトル(=東京)に対する『アンチ』な姿勢を崩そうとしない反骨精神は確実にその音楽にも宿っている。そんな名古屋の街で古くからダンスホール・シーンを固めてきたサウンド・クルー=GUIDING STARのファウンデーション・メンバーでメインMC/セレクターを務めるG-CONQUERORもその『リアルな奴らの交わり場』を盛り上げてきたV.I.Pの一人として知られる通り、である。名古屋最凶軍団=POUNDも参加するクロスオーバー・イヴェント【MURDER THEY FALL】(今年で6回目)にレゲエ・サイド代表として関わり、またミックス・テープのメディアでも数々のシュア・ショットを放ってきたことからもその功績は伺い知れるG-CONQUEROR。そんな彼が新たに立ち上げたこの『RED HOT RECORDS』は、今年7月7日にプロ・ボクシングWBC世界フライ級2位の中野博の入場テーマ曲「RED HOT FIGHTER / B-NINJAH & AK-47 feat: KALASSY NIKOFF」のE.P. を投下したばかりであり、今後の動向が注目されているニュー・レーベル、だ。この3ウェイ・ミックス仕様の全30曲からなる初アルバムも、トラック制作をG-CONQUERORとマニュピレーターのDICE-Kが担当し、歌録り、ミックスまでの作業を全て地元スタジオで行う、という『名古屋発』への拘りは勿論のこと、DJ RYOWによるヒップホップ・リミックスの存在や、M.O.S.A.D.やPHOBIA OF THUGらヒップホップ勢、そしてDIEDRO、DIVICE CHANGEらハードコア勢のフィーチュアも『RED HOT』の活動指針そのものを表しているようだ。東京(ATOOSHI)、大阪(N.G. HEAD)、神戸(ZEBRAMAN、WONGGY)、沖縄(U-DOU & PLATY)の各地から招いたアーティストとの間柄もダブ録りの延長線上とは決して言わせない『固い』何かを感じさせる。ニュー・ジェネレーションをしっかりサポートする一方、ヴェテランの打ち出しかたにも長けたその『プロデュース力』の何たるかは、このショウケースからも伝わってくる筈だ。不平不満、苛立ち、怒り、というレゲエ、ヒップホップ、ハードコアに通底する『俺にも言わせろ!(黙ってられるか!)』というメッセイジの数々と。それを伝える熾熱のリディム。『RED HOT』、その看板に偽りナシ!の体の中から込み上げてくる途鐵もなくアツい一枚、である。

2003年8月 二木崇

【 PROFILE 】
GUIDING STAR
90年代初頭から活動する老舗レゲエ・サウンド・クルー。メイン・セレクターであるプロフェッサー・トリガーのマニアもうなる選曲から、バリバリ・バトルモードまでオール・ラウンドにこなすベテラン・サウンド。昨年立ち上げたトリガーを中心としたマッタリ系レーベル「STAR'S ARENA」に続き、キラーMC、G・カンカラーの色を前面に出した今回の「RED HOT RECORDS」の発足となった。

MACHACO
B-NINJAH
ジャパニーズ・レゲエの黎明期から様々なレーベルよりリリースを続ける名古屋のみならず日本のレゲエ・シーンを代表する女性アーティストの一人。男性リスナー並みにレゲエへの造詣が深く、納得のメロディ・ラインを紡ぎ出し、極上ラヴァーズから、シング・ジェイ・スタイルまでを起用にこなす。ナイスなヴァイブと包容力溢れるリリックの世界観が魅力。

RED HOTの特攻隊長。現在のジャパレゲ・シーン全体の若手を見渡しても、頭ひとつ突き出た感のある個性とスキルと主張を持った逸材。これまで「POUND」人脈での活動が多かったが「STAR'S ARENA」レーベルの発足と共に本来のフィールドであるレゲエでのリリースを本格開始。本作でようやくその全貌を表す。話芸であるレゲエ・ディージェーには「自分の声」は必須要素。その天賦の才を武器に己を主張する。

WONGGY
U-DOU & PLATY

神戸シーンを古くから牽引するベテラン・アーティスト、ゼブラマンのキャンプより参加の若手シンガー。丁寧に選びに選んで書き上げたメッセイジを詰め込んだリリックを、渾身の力を込めて歌い上げるその歌声は、レゲエならではの真摯でコンシャスなヴァイブを感じさせ、「人に伝わる力」を備えている。「STAR'S ARENA」レーベルで見せた優しい世界観とは違った、正義感溢れる姿勢で本作に参加。


沖縄レゲエ・シーンの立て役者「KING RYUKYU」に所属するアーティスト2人組。沖縄で開催される多くのビッグ・イベントにはホストとして出演して、本土勢に負けない熱いパフォーマンスを見せることもしばしば。今回は主宰者G・カンカラーの打ち出すレーベルの姿勢に反応し、「怒れる島んちゅう」的な顔を覗かせ、沖縄の抱えるシリアスな問題をバッサバサ切りまくっている。

ATOOSHI
N.G. HEAD

パイオニア・サウンド「TAXI HI FI」の看板ディージェーであり、東京レゲエ・シーンで最も熱いイベントを打ち続ける超クルー的集団「CULTURE SHOCK」を拠点に活動を続けるテクニシャン。その小柄の身体から吐き出されるヴァイブスのこもったリリックでシーンから熱い支持と共感を受け続けている。社会問題に切り込むメッセイジ性の高さは本レーベルの姿勢と共振する部分。本作でもその本領を充分に発揮している。


大阪シーンの伝説的アーティスト集団「TOKIWA」の中心的存在で、当時の牽引者。畳み掛ける押韻の連続するフロウ・スタイルは彼がオリジナルといっても過言では決して無く、多くのアーティストに影響を与えているのが事実。レゲエ的感性が非常に高く、パトワと日常会話を自然に混ぜた彼ならではの造語による洒落た言い回しを、新たなストリート・レベルの言葉として翻訳する感覚は流石。

ZEBRAMAN a.k.a. TORAUMA
AKIRA

神戸を拠点に活動を続ける美声巨漢ヴェテラン・シンガーがゼブラマンであり、その彼のペルソナ的多重人格キャラがトラウマ。トラウマと化した時の彼は、往年のジャマイカの人気ディージェー「タイガー」の二番煎じで瞬間的な人気を誇ったその名も「ゼブラ」バリのディージェーとなる。美声とのギャップを一人二役でこなした時の違和感は最高のエンタテインメント。そのキャラでムーミンの新作にも参加している。


M.O.S.A.D.の3MCの一人。端正な面持ちで殺気立ったライムをかます危険な男。ソロとしてB-NINNJAHの曲のリミックスに参加した今回は、普段のそうした側面とはひと味違った自分レベルの正義を持って、混沌とした「9.11以降」の世界に牙を剥くというコンシャスな部分を聞かせてくれている。

M.O.S.A.D.
NOCTURN

TOKONA-X、EQUAL、AKIRAの3MCとDJ FIXERの4人からなる、快進撃を続ける名古屋シーンの最強のヒップホップ・ユニット。野太い声で放たれる尾張弁全開のTOKONAの凶悪なライム・フロウは独自中の独自なスキル。それに呼応するEQUAL、AKIRAの2人の異なった声色の殺気に満ちたラップが交差する。AKIRAの今回のソロ発表に続き、EQUALもソロ制作を開始しており、TOKONAのソロ・メジャー・デビューなど快進撃は続く。


かつてインディ・レーベルよりミニ・アルバムのリリース経験もあるシーンでは数少ない名古屋在住の女性ラッパー2人組。本作においてはMACHACOのリミックス曲に参加し、名古屋女コネクション・アンセム的な掛け合いでその本領を発揮している。




REDDA DAN RED, HOTTA DAN HOT
VARIOUS ARTISTS
YRD4016/CD ALBUM/2800YEN+TAX
2003.9.11 RELEASE
TRACK LISTING & CREDITS

1. INTRO

2. CAUTION / B-NINJAH & MACHACO

3. THE FUTURE MASSAGE / WONGGY

4. YABAI JIDAI / U-DOU & PLATY

5. BUILDING / ATOOSHI

6. FIELD JAP / B-NINJAH

7. FIELD JAP VERSION / G-COMQUEROR & DICE-K featuring TELLA KILLA (from DIEDRO)

8. FIELD JAP HIPHOP REMIX / B-NINJAH featuring AKIRA (from M.O.S.A.D.)

9. STRUGGLE / MACHAKO

10. 夢の宝島 / PLATY

11. THE BOOM DJ / B-NINJAH

12. RED HOT E.A.T. / M.O.S.A.D. featuring G-COMQUEROR

13. REDDA DAN RED, HOTTA DAN HOT / B-NINJAH & MACHACO

14. REDDA DAN RED, HOTTA DAN HOT VERSION / G-COMQUEROR & DICE-K featuring 妖平 (from DIVICE CHANGE)

15. REDDA DAN RED, HOTTA DAN HOT DJ RYOW REMIX / B-NINJAH & MACHACO featuring AK-69

16. RIDE ON / MACHACO

17. CRY OU TONITE / WONGGY

18. FIRE (PON DI BOW DEM) / B-NINJAH

19. LEADER / ATOOSHI

20. R.I.D.E.O.N. / N.G. HEAD

21. RIDE ON REMIX / MACHACO featuring NOCTURN

22. R.I.D.E.O.N. VERSION / G-COMQUEROR & DICE-K featuring TORAUMA a.k.a. ZEBRAMAN

23. 美女と野獣~SHA LA LA LA LA,,, / ZEBRAMAN

24. READY MI READY / MACHACO

25. MY ARGUMENT / MACHACO

26. DADDY U-DOU / U-DOU

27. BIGGER SIZE / B-NINJAH

28. BIGGER SIZE VERSION / G-COMQUEROR & DICE-K featuring TOKONA-X (from M.O.S.A.D.)

29. BIGGER SIZE GANGSTA MIX / B-NINJAH featuring PHOBIA OF THUG

30. INTERLUDE / AK-69

31. RED HOT FIGHTER / B-NINJAH & AK-69 featuring KALASSY NIKOFF

EXECUTIVE PRODUCER: G-COMQUEROR for GUIDING STAR MUZIK

PRODUCED BY G-COMQUEROR for GUIDING STAR MUZIK.

MUSICAL INSTRUMENTS PROGRAMED BY G-COMQUEROR & DICE-K, DJ RYOW.

ALL TRACKS RECORDED AT ATB SOUND STUDIO BY KAZUMI NAGASE.

ALL TARCKS MIXED AT ATB SOUND STUDIO BY G-COMQUEROR & KAZUMI NAGASE.

MASTERD AT M'S DICK MASTERING STUDIO BY MASAYO TAKISE.

A&R DIRECTION & SALES PROMOTION BY NAOHIRO MORO (ALPHA ENTERPRISE Co., Ltd).

ART DIRECTION BY G-COMQUEROR for GUIDING STAR MUZIK.

DESIGNED BY MAIKO YASYDA (JAPAREGE.COM).

(P)2003 ALPHA ENTERPRISE Co., Ltd.

(C)2003 GUIDING STAR MUZIK.
UNDER LICENSE FROM GUIDING STAR MUZIK.